格的に向いているならITエンジニアになった方がいい ~インテリジェンスこそパワー~

学生、異星人を教育す

 

イーツ
イーツ

イーツ(異星人)です! パートナーであるマナトさん(高2)に地球のことをあれこれ教わっています!

今日のお話は、マナトさんが将来就きたい職業であるIT業界関連についてです!


技術革命の真っ只中である昨今、昼夜常に革新的なサービスが生まれ続ける、非常に変化の激しい業界なのだそうですよ!

IT化=効率化!

もしものこと(人類滅亡)を考えるより、何事もなく世界が続いていくことを信じて学ぼう!

革新的な技術と斬新なアイデアが組み合わされた時に生まれる「虎の子事業」は市場価値と利益率が尋常じゃないことになるぞ!

 

「地球の人間のデジタルへの移行はスピードが速すぎますね。なんだか国や地域で知識格差や不平等性による不和が助長されているように感じるのですが、産業革命というのはいつの時代もこんなものなのでしょうか……」

ふとイーツが呟いた。

電子書籍なら1000円で買える本が紙の本だとプレミアが付いて3000円、という事態に遭遇したことがあるマナトも、「知ってる人は得をして知らない人は損をする」という現実は確かに人類の二極化を助長しているように思える。

しかし、そんな事実があったとしても情報や業務のデジタル化は決して悪いことばかりではないと説明した。

「IT化ってのはイコール効率化なんだ。いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)ってやつ」

「デジタルトランスフォーメーション」

「今まで紙や本の状態で保管していたものをパソコンに入力してデジタル化することで紙や本が専有していた現実世界のスペースを空ける……というのも目的のひとつだけど」

単純に、「業務を機械に任せる」という最終到達地点があらゆる職種に需要があるのである。

――追い蓄積していくことで自動的にビッグデータを構築したり。

――目的の情報を簡単に検索、あるいは共有できるようにしたり。

――インターネットを活用し、情報のリアルタイム性を高めたり。

その有益性を考えると、IT化の恩恵を受けない業種は存在しないと言っても過言ではないのだ。

たとえ初期投資で経費がかかったとしても、長期的に見れば人件費やらのコストを大幅に削減できる可能性が高い。

怖いのは万が一の天変地異や永劫の停電だが、それを極端に恐れていたら何もできないし、きっと人類はここまで発展してこなかっただろう。

自分などには及びもつかない、永遠の停電さえ取るに足りない知恵と知識がきっとこの世界には存在する。それを信じて、あるいはそれこそを最終到達地点としてやっていくしかないのである。

「アメリカのGAFA(ガーファ)……「検索エンジンのGoogle」「iPhoneのApple」「ソーシャルメディアのFacebook」「通販サイトのAmazon」があれほど磐石なのも、一心不乱にがむしゃらに走ってきたからだろうしな。きっと、もしものことを考えるより、何事もなく世界が続いていくと信じた方が利口なんだろう」

「Google……Amazon。どれも有名なIT企業ですね」

「うん。日本だと「Yahoo!」とか「楽天」「メルカリ」「カカクコム」がこれに続く形になるのかな。中国ならBATH……検索エンジンの「バイドゥ(Baidu)」、通販サイトの「アリババ(Alibaba)」、ソーシャルメディアで有名な「テンセント(Tencent)」、スマホや5Gの通信ネットワークが主力事業の「ファーウェイ(Huawei)」。韓国なら「サムスン電子(Samsung)」か」

「彼らの成功例は、それはもうこの星のあり方を華麗に変えたのでしょうね」

イーツが問う。目がキラッキラだ。母星でも真似をしてみたいのだろうか。

それについてはマナトも調べてみたが、大企業が既存のジャンル(業種)とITを融合することによって生み出すビジネスモデルは、さすがに頭がいいなと思わせるものばかりだった。

――金融面では、銀行のシステムをサクッとオンラインで利用できるようにしたり。

――小売面では、食品・日用品・ファッション・家具などあらゆるモノをネットでシャッと購入できるEC(eコマース)を一般化させたり。

――運輸面では、ドローン配達・自動配達ロボット・自動運転車などの無人宅配サービス計画をヌルッと進行させたり。

――娯楽面では、動画や音楽、漫画や服の、サブスクリプション(通称サブスク)と呼ばれる定額制ビジネスをカンッと展開したり。

――医療面では、パソコンやスマホを使った遠隔診療やリアルタイムモニタリングをシャバーと普及させたり。

――農業面では、品質の向上を目指しつつ省力での大規模生産を可能にして、労働者不足をガッツリ補おうとしたり。

改革の例はまさしく多岐に渡る。さすがIT技術は「ドックイヤー(犬は人間の7倍の早さで成長する)」と言われるだけある成長スピードだと感心するばかりだった。

「そういう、新しいことを考えたり開発する人に、マナトさんはなりたいわけですね」

はー、と感じ入ったようにイーツが言う。感心されるのは嬉しいが、GoogleやらAppleやらAmazonのようになるのはさすがに無理だし、結局は十人並みで終わるだろうなという自覚がマナトにはある。そのため苦笑しか返せなかった。

「一時期は「IT=儲かる」なんて言われてたけど、さすがにもうもうブルーオーシャン(競合相手のいない領域)じゃない。革新的な技術と斬新なアイデアが組み合わされた時に生まれる虎の子事業は市場価値と利益率が尋常じゃないことになるが、大前提として知識やセンスが必要だし、本当に楽じゃないよ」

逆に言えば、ある程度知識と元手がある者は、だからこそモリモリとIT企業を興している。きっと彼らの中に自分の実力を試す天下一武道会的な意味合いが生まれているのだろう。

「プログラミングの知識は学校で学ぶんですか?」

「2020年に必修化されたな。日本はただでさえ学力低下が危ぶまれているから、既存の授業を潰してまでは義務化しないんじゃないかと思っていたが……意外に大丈夫……らしい」

本当に大丈夫なのかどうかは後世になってみないとわからないことだが。

基礎知識は「○○ やり方」「○○ なり方」で検索すれば出てくるので、独学やオンライン学習や専門スクールや情報系の大学・専門学校に進学することでも学びを得ることができる。

そうやって勉強した後、会社に入ったりフリーランスからはじめて少しずつレベルアップしていくのがスタンダードなんだと思う、とマナトは言った。

IT業界は先発有利のように思えるが、変化と新技術の導入が激しい世界なので、後発は後発で最新の情報からはじめられるという利点がある。

参画時期による有利不利はいっそ誤差の範疇だ――とどこかで読んだことがあるので、参入時期についてはそれほど深く考えずに――というか、考えてもしょうがないと腹をくくっていた。

「IT技術を駆使して様々なソフトやシステムを設計、開発、運用する技術者たちの総称をITエンジニアというんだけど」

ITエンジニアは、システムエンジニア、プログラマー、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、データベースエンジニアなど、様々な専門に枝分かれしている。

しかし同時に、「専門特化のそういう知識」を持っているだけでは駄目とも言われていて、

「普通、ITエンジニアっていったら、ソースコードを駆使して「メンテナンス性の高い」「無駄のない」「可読性の高い」プログラムを書いて、クライアントが求めるシステムを開発、構築する職業なんだけど」

でも、そういった専門知恵とは別に、クライアントの要望を汲み取り、また、こちらの意思を相手に正確に伝えるために用いる「文系のスキル」もなければならないのだ。

「それは営業や説明専門の人を置けばいいのでは……」

「相手に説明するためにはシステム開発に詳しくなきゃいけないだろ? で、営業とシステム開発の両方がイケるなら、システム開発者が営業を兼任すれば営業を雇わなくて済む。多分そういうことなんじゃないかと思うんだ」

「すごい! 人間って万能なんですね」

「普通に違う」

他国のことは知らないが、この辺の技術者の使い潰しは、いかにもTHE 日本という感じだった。

そのためかどうか知らないが、IT技術者の平均年収は日本人の平均年収よりやや高い傾向にあると言われている(アメリカは優に日本の二倍だが)。

それでも2030年になっても人材不足が続くとされている事実が、DX化の勢いの強さを物語っていた。

「ITエンジニアは、いわゆる3K(きつい、汚い、臭い)を伴う肉体労働じゃないところがいいと、俺は思う」

マナトが言う。イーツが頷く。

「でも、業界全体が人材不足だから残業が多いし、案件ごとに締め切りがあるから時間に追われやすいし、トラブルやイレギュラーが起きた時は深夜対応や休日出勤をしなきゃいけないし、技術の進歩やIT情報は毎日のように更新されるから古い技術や考え方のままだとすぐについていけなくなるし、一日中座りっぱなしのぼっち状態が続くし、フリーランスの場合だとある程度のスキルがなければ足元を見られてクライアントの要求に従わざるを得なくなったりするしで、精神的には決して楽ではないと思う」

「地獄のようですね……いえ、なんでもありません」

言ってしまって、イーツはハッと自分の口を閉じた。

「他にも、ITエンジニアは「どうすればもっと効率化できるか」という視座が必要だから、特に現状に不満がない俺にはちょっと不向きでもある」

他者からの依頼があればともかく、既存のモノを良くしたいという欲求や使命感がなければ、ITエンジニアにやることはない。

「それはこれからじゃないですか! あっそうだ、それなら僕が提案しますよ! 「どうしてこれはこうなんですか?」「これはもっとこうならないんですか?」と、感じたことを逐一全部!」

「それは助かる」

宇宙人であれば斬新な視点からの疑念がおそらく山ほどあるだろう。疑問や欲求が手元にあるなら、自分はその願いを叶えるだけだ。

持つべきものは宇宙人の知り合いだなとマナトは破顔した。

 

 

 

■ITとは

・Information Technology インフォメーション・テクノロジー 「情報技術」。


・パソコンやスマホがITならGoogleChromeやsafari、Word、ExcelもIT、Wi-Fi、4Gや5Gの通信システム、そのセキュリティもITである


・IT産業は「電気通信事業」に該当する(株を買う時のくくり)


・ドッグイヤー(犬は人間の7倍の早さで成長する)とも言われる通り、昼夜常に革新的なサービスが生まれ続ける、非常に変化の激しい業界である

■IT化=効率化! DX(デジタルトランスフォーメーション)

・紙や本が専有していた現実世界のスペースを空ける


・追い蓄積していくことにより、自動的にビッグデータを構築する


・目的の情報を簡単に検索、また共有できるようにする


・インターネットを活用し、情報のリアルタイム性を高める

などの目的がある

■意外とキツい! ITエンジニア

・IT業界全体が人材不足 → 残業が多い。トラブルやイレギュラーが起きた場合、深夜対応、休日出勤をしなければならない


・案件ごとに締め切りがある → 時間に追われやすい。自分のペースで働けない


・技術やIT情報は毎日のように更新されるので、古い技術や考え方のままではついていけなくなる


・一日中座りっぱなし、対面での会話があまりない、という環境への適応が必要


・自由なフリーランスエンジニアはある程度のスキルがなければ足元を見られてしまい、クライアントの要求に従わざるを得なくなる


…がんばれ!

 

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