マケドニア王ミシェイルによる「暗黒竜と光の剣」アテンダント●第八章「プリンセス・ミネルバ」

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そんなこんなで、マルス王子はカチュアの案内のもと、マリアが囚われている辺境のディール城へと兵を進めた。

同じ頃、ミネルバもその砦に降り立ち、当地の責任者であるグルニアの将軍に「妹に会わせて欲しい」と申し入れていた。

同盟軍襲撃の報を聞いた時、ミネルバは何を思っただろう。「偶然」その場に居合わせたため出陣要請が下ったミネルバは、しかし自分からマルス王子たちを攻撃することは、ついぞなかったのである。

 

城の兵士たちを圧倒する赤の騎士カインと緑の騎士アベル、傭兵として参加し今では軍の遊撃隊長となったオグマとナバール、竜騎士相手に格別の威力を発揮する風魔法の使い手マリク、傷ついた仲間を癒すレナ、城の鍵や宝箱の鍵を手当たり次第に開けて仲間を誘導するジュリアン…。

彼らに助けられ導かれ、マルス王子がマリアを見つけ出して解放するのに、さほど時間はかからなかった。

 

マリアが牢から救出された瞬間、これ以上ドルーアへ与する義理はないとばかりに、ミネルバは正々堂々迅速に叛旗を翻した。

マルス王子はそんなミネルバとマリアをあたたかく迎え入れていたが、さすがに警戒心が足りなすぎではなかろうか。ミネルバはお前の隣にいるハーディンの国を侵攻した将軍なんだが?

オレルアンの騎士たちに闇討ちされないようくれぐれも気をつけて、それからマリアがマルス王子に迷惑をかけないよう、しっかり立ち回るのだぞ、ミネルバ。

 

…というところで俺の悩みを聞いて欲しい。

アカネイアを滅ぼした後グルニアのカミュと組んでメディウスを倒すという俺の計画が、マケドニアとグルニアの戦力をガンガン削っていくマルス王子の活躍によりいよいよ実現不可能になりそうなのだが、どうすれば。

もうマジで先が見えなくなっていた俺は、マルス王子たちのアカネイアパレス攻城戦の行く末を見守ることしかできなくなっていた。

 

 

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→第九章「ノルダの奴隷市場」

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