マケドニア王ミシェイルによる「暗黒竜と光の剣」アテンダント●第十一章「悲しみの大地・グラ」

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ニーナ王女もそうだし俺の妹たちもそうだが、おおよそ全ての王族たち、そしてマルス王子の苦悩は2年前から始まった。

すべての血縁を殺されひとり残されたニーナ王女。兄弟国であるグラの裏切りによって父を殺され母と姉を連れ去られたマルス王子。ニーナ王女はともかくマルス王子にはさすがに同情する。

だが、そんな俺の同情を知らず、マルス王子は散歩かのような気軽さで父の仇であるグラ国王ジオルが立てこもるグラ城に肉薄していた(ちなみに厚かましくもマケドニアに援軍要請をしてきた恥知らずのグラ王には、竜騎士団ではなく天馬騎士団を送っておいた。いたずらに損害を与えたら殺すからな)。

 

攻城戦の途中、アカネイアパレスに囚われていた騎士ミディアに恋人アストリアを説得させたりミネルバの腹心であるパオラカチュアを仲間に加えたりと今日も今日とてヘッドハンティングに余念がないマルス王子だったが、その中でも特筆すべきは、マルス王子が立ち寄った村で「ニーナ姫によろしく」とか言いながらシレッと魔道書を手渡してきた謎の男の存在だった。

 

カミュ!!!!!

 

お前そこで何をしている!?!? 謹慎中だろうが!!! そんなとこフラフラできたりしてる暇あるなら今すぐ前線に復帰しろ!!!!!

(※唐突の激高で貧血中)

…アリティア王コーネリアスが戦死した際行方不明となった神剣ファルシオンは、十中八九グラ王ジオルが手に入れたのだろうと言われている。

おそらくだが、アカネイア大陸に住む人間のうち10人中11人が一刻も早くマルス王子にファルシオンを取り返してもらいたいと思っているのではないだろうか。なにしろ俺さえそうなのだからな。

無事取り戻せることを祈っておこう。

 

 

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→第十二章「魔道の国カダイン」

 

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