マケドニア王ミシェイルによる「暗黒竜と光の剣」アテンダント●第四章「オルレアンの戦士達」

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デビルマウンテンの凶賊共を電撃的に蹴散らしたマルス王子たち一行は、レフカンディを北西に進み、オレルアンに到達する。

オレルアンは初代国王が兄弟同士だったことからアカネイア聖王国と密接な関係にある国だ。

事ここに至ってもドルーア帝国に屈せず、そのため現在進行形で我が国の竜騎士団に侵攻を受けている、往生際の悪い草原の王国だった。

 

我が国は多くの竜騎将や俺の妹ミネルバの軍功あってオレルアンの国土の大半を占領することに成功していたが、残念ながら未だ完全制圧には至っていない。

それは、過日カミュが庇護して逃がしたアカネイア聖王国の生き残りであるニーナ王女がオレルアンに身を寄せており、オレルアンの王弟にして「草原の狼」と呼ばれる不屈の英雄ハーディンが彼女を守るために奮起奮励しているからだった。

言うなれば我が軍はニーナを逃がしたカミュのとばっちりを今尚受け続けているというわけだな。

まったく、敗走を許されず、ギリギリの戦いを強いられ続け、国土の大半を占領された末に「アカネイアの剣」であるアリティアの王子マルスの現着を見た草原の騎士団の喜びはいかばかりか…。

本来であれば、我が国にここまで迷惑をかけているグルニアこそ友軍たる我が国に何か送ってくるべきなのだがな。

 

マルス王子は人生何度目なんだと問いたくなるほど手際よく、旧友の魔術師マリクと、これはどうでもいいが我が軍に徴用されていたマチス(レナの兄だ。いい度胸だな。家を断絶させてやろうか)を仲間に迎え、ハーディン率いる騎兵隊と華麗に合流した。

数を増して勢い付いた両軍は我が軍を派手に蹴散らし、奪われていたオレルアン城を完全包囲、
あっという間に奪還一歩手前にまでこぎつけたのだった。

 

 

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