ハイラル王国巫女姫ゼルダによるブレワイアテンダント8・四体の神獣を解放せよ「水の神獣ヴァ・ルッタ」(前編)

ゲーム!

 

 

厄災ガノンを封印するため、乗っ取られた四体の神獣を解放するよう言われたリンクは、一番近い水の神獣ヴァ・ルッタを目指します。

…1万年前、ガノンに対抗するためにシーカー族が造った四体のガンダm…「神獣」。

ガノンは復活するなりその神獣を狙い、繰り手である4人の「英傑」を始末して、その機体をいいように操りました。

ですがそれも一瞬のこと。封印の力に目覚めた私がガノンを抑えたため、彼が操る神獣は沈黙を余儀なくされました。

ただ、100年間眠っていたリンクがシーカータワーを動かした時、この地のあちこちであらゆる事態が動き出し、四体の神獣も元通り暴走状態となってしまった、というのが現状なのでした。

 

渡りに船というか、神獣ルッタのお膝元にいるゾーラ族は、一族を上げてハイリア人を探しているようでした。

池の中、川の中、海の中、高台の上、塔の上…あらゆるところに人員を配置し、ハイリア人と見れば老若男女問わず「ダルブル橋にいるシド王子のところに行ってください」とお願いしているのだとか。

話を聞くに、なにやらゾーラの里がおかしなことになっており(要するに神獣の暴走ですね)、ハイリア人に助けて欲しいと考えているようでした。

そんな感じですから、リンクがゾーラ族の王子シドと出会ったのは偶然というよりもはや前世からの必然といっていいレベルなのでした。

「おい、そこの君! …とうッ!」

紆余曲折(※永遠の散歩)を経てリンクがダルブル橋に到着すると、満を持してシド王子が登場します。

「君はハイリア人だろう? 話を聞いてくれないか! オレはシド! ゾーラ族のプリンスだ!」

シド王子…あんなにちいさかったあなたが、なんと立派になったのでしょう…!

 

彼は「水の神獣ヴァ・ルッタ」を使役していたゾーラ族の英傑ミファーの弟です。ゾーラ族は寿命が長いので、彼らにしてみれば100年前のこともつい最近のこと。つまりミファーの訃報の悲しみの記憶も新しいわけで…、…(※頭を抱える)。

ですが、そんなことはおくびにも出さず、彼は「実は神獣ヴァ・ルッタが起こす大雨でゾーラの里が存続の危機に見舞われているのだ!」と世にも元気に報告してきました。

「これ以上貯水湖の水量が増えればダムが決壊し、ハイラル全土が水浸しになってしまう! そんなアレだから助けて欲しい! 厳しい道のりになるかもしれないが、崖は濡れて登れないが、電気を使う魔物もいるが、どうか里に向かってくれ! 君ならきっとたどり着ける! 魔物が多い場所があるが、俺は君を信じてるゾ!」

押しが強い(確信)。

ですがどこか憎めません。裏なく常時一生懸命だからでしょうか? 里への道中、会うたび褒めて励ましてくれるシド王子に、いつしかリンクも「次はどこで会えるかなあ」と邂逅を心待ちにするほどでした。陽キャの影響力がすごい。

 

里についたらついたで一悶着でした。

なにしろゾーラ族にとって100年などつい最近のことですから、「ハイリアの英傑リンク様!?」「リンリン!?」「貴様何しに来た!」「わー僕のこと覚えてますか!?」と向こうは覚えているもののリンクは覚えていないというケースが多発したのです。

ゾーラ族のドレファン王にしてからが「シーカーストーン…? よく見たらそなた、ハイリア人の英傑リンクではないか!」とここ50年でいちばんくらいの驚愕顔です。

「懐かしい、ワシを覚えておらんかの? え、記憶がない? 我が娘ミファーのことは? あんなに仲が良かったのに…」

ドレファン王は目に見えてしょんぼりします。それはそうですよね…。

「…実は最近ルッタが突然水を吹き上げだしての。それによって東にある貯水庫が溢れそうになっているのだ。ルッタの放水装置は電気によって水を制御する。だが水棲の一族である我々に電気を扱うことはできん」

それで彼らは一族を上げてハイリア人を探していたのでした。

「真に神獣を止めるには中に入らねばならんが、神獣の中には英傑しか入れぬ。今そなたがここに来たのは神の導きかもしれんな」

本当にその通りです。リンク、どうかゾーラ族の皆様のために協力を…

「じゃあやってみます」

即答でした。

ドレファン王は「なんと、ゼルダ殿は生きておられるのか!?」と私の心配までしてくださいます。…お心遣い、本当にありがとうございます…。

そして王は、神獣ヴァ・ルッタに挑むリンクのために、かつてミファーが作った「王女が将来婿になる男に渡すゾーラの鎧」をリンクに託すのでした。

 

…………え?

 

 

 

ブレワイアテンダント9→四体の神獣を解放せよ「水の神獣ヴァ・ルッタ」(後編)

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